昨日、浜松医科大の講演会に行ってきました。
今回のプログラムは下の通りです。
①「ADHDの疾患概念と治療法はいかにして できあがったか?」
浜松医科大学 子どものこころの発達研究センター
浜松センター長 森 則夫 先生
②「大人のASD」
浜松医科大学 児童青年期精神医学講座
特任教授 杉山 登志郎 先生
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①②共に、こういった公開講座の内容としてはめずらしく
ADHDとASDの歴史的な流れについて多く語られました。
ADHD史、ASD史、どちらも私にとっては新鮮で勉強になりました。
面白かったのは、ADHDの歴史の中で、偶然が大きな役割を果たしてきたこと。
「多動などの行動」と「脳の何らかの障害」とを関連付ける
研究がすすむきっかけになったのは、当時(1917~)流行した脳炎だったことや、
思いがけずADHDの治療薬を生み出すきっかけになった父娘のストーリーなど。
いずれも本来の目的とは方向が違ったけれど、
たまたまADHD治療に役立つことになった出来事。
はたまた、治療薬「リタリン」は人名由来(ニックネーム「リタ」さん)だった、など
トリビア的なお話が私には楽しかったですf(^-^;
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杉山先生(なんと今年度で退職されるとのこと!)はASDの歴史について話されました。
1974年に発表された「ASD 1万人に4人の割合」が
世界のゴールデンスタンダードだったのを
1979年ごろ、日本が「もっといるはずだ」とひっくり返したことや(日本の健診システムってすごいですね)、
2000年の豊川事件(高機能自閉症の高校生が犯した殺人事件)から
2005年の発達障害者支援法につながった流れ、
そして脳科学や遺伝子研究が盛んになったここ10年ほどの動き。
大変興味深いお話でした。
最後に今後についてお話されました。
早期発見、適正就労、ASDに焦点をあてた特別支援教育、
トラウマとの絡み合いへの対応が大切とのこと。
面白いと思ったキーワードは「ギフテットへの特別支援教育」。
「異才発掘プロジェクト(東京大学)」のような取り組みが増えていくでしょうか。
凸凹のある人の突出した能力を伸ばすという考え、
ワクワク感があって、素敵だと思います。